「あるがまま」を受け入れる日。 国際ノーダイエットデーに寄せて。ラブドールの処分についても考える日

「Goods-Bye」からのお知らせ・ラブドール処分屋店主の雑記

今日は5月6日。何気なくカレンダーを眺めていたら、「国際ノーダイエットデー(International No Diet Day)」という言葉が目に留まりました。少しユニークで、でもとても現代的な意味を持つ記念日です。

この日は、1992年にイギリスの活動家メアリー・エヴァンス・ヤングによって提唱されました。彼女自身が摂食障害に苦しんだ経験から、「誰もが自分の体型を恥じることなく、生きていい」というメッセージを広げようと、世界に向けて声をあげたのが始まりでした。それから30年以上、世界中でこの記念日は支持を集め、「美しさ」の固定観念から解放される日として、多くの人に意識されるようになりました。

私自身も、思い返せば「太ってはいけない」「引き締めなければ」と、何かしらの外的な基準に影響されながら生きてきたように思います。とくに春から夏にかけて、薄着になる季節になると、「痩せなければ」「締めなければ」という気持ちがどこからともなく湧いてきます。でも、その感情の背景には、必ず「誰かの目」がある。誰かに見られて恥ずかしくないように、誰かにジャッジされないように、と。

けれど本来、「食べること」は生きることの根幹であり、「体」は人それぞれにとって違う歴史と感情の詰まったかけがえのない存在です。喜びも、悲しみも、疲れも、希望も、すべての人生の記憶はこの身体の中に刻まれています。それを無視して、見た目の基準だけで「良い/悪い」を決めてしまうのは、どこかで自分自身を否定してしまうことにつながるのかもしれません。

最近では、「ボディポジティブ」という言葉もよく耳にします。「どんな体型であっても自分自身を受け入れ、大切にしよう」という考え方は、かつての“美の基準”に疑問を投げかけてくれます。そしてそれは、誰もが健康的に、のびのびと、安心して生きられる社会へ向かう第一歩でもあります。

今日は、普段よりも少しゆっくりと昼食をとり、自分の身体が「美味しい」と感じるものを素直に味わいました。カロリーも栄養素ももちろん大切ですが、「味わうこと」「満足すること」も、食事にとってはかけがえのない要素です。時間に追われながら急いで口に運ぶのではなく、一口一口に意識を向けると、食べるという行為が「栄養補給」ではなく、「心を満たす時間」へと変わっていくのを感じました。

ふと、街中で見かけた広告やSNSの投稿が、「この夏までに−5kg!」「理想のくびれを手に入れよう!」というようなコピーで溢れているのを思い出しました。そうした言葉が悪いわけではないのですが、その裏で、「いまの自分は理想から遠い」と感じてしまう人がいるかもしれない。自分の中にある「誰かの基準で自分を測ってしまう癖」を、こういう日にこそ見直したいと思います。

美しさとは何か。正しさとは何か。私たちは、社会や流行に飲み込まれる中で、ついその答えを外に探してしまいがちです。でも今日のように、「いまの自分をそのまま認める」ことができたなら、それはたとえ一時でも、すごく健やかで誇らしい一日になるのではないでしょうか。

今日は「何もしないこと」がテーマのような日でした。ダイエットもしない、見た目を責めない、自分を追い込まない。そう決めたことで、むしろ心の中に少しだけ余裕が生まれたように思います。

これからも、「なりたい自分」ではなく、「いまの自分」を大切にする日を時々つくっていきたいと思います。きっとそれが、本当の意味で「整った生き方」につながっていくのだと、そう感じた一日でした。

色々考えると私の仕事ラブドールの処分もまた、人が「あるがままの自分」と向き合う瞬間に立ち会うことが多いのです。
多くの方は、周囲に知られることなく、静かに、けれど真剣に「手放す」という決断をされます。そしてその背景には、非常に個人的で繊細な事情があることがほとんどです。

ラブドールを所有していたことを恥じる必要はありません。そしてラブドールを処分することもまた恥じる必要は無いんだと思うのです。それは時に、孤独を癒やすための手段であり、誰にも言えなかった心の隙間を埋める大切な存在だったはずです。
けれど、社会の視線や偏見がある中で、「そんな自分はおかしいのではないか」と自問される方も少なくありません。

だから私は、この「国際ノーダイエットデー」のように、人の選択や体験に寛容でありたい、という考え方に深く共感しています
人それぞれの過ごし方、心の支え方が違うのは当然のこと。
「こうあるべき」ではなく、「こうあっていい」。そう思える社会が広がることを願いながら、私は今日も、お客様一人ひとりに丁寧に向き合っています。

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